御殿は一般的には身分の高い人が住む邸宅を指しますが、
近世城郭では城主の住居&執務スペースとして城内に建てられ、寝泊りはもちろんのこと、
家臣等との対面や儀礼、藩政のための庁舎としても使われる、まさに政治の中心部です。
(上写真は川越城本丸御殿)
ちなみに、
対面の儀礼を行う場所を
大広間では家臣が一堂に会し、藩主が訓示・・・なんてこともありますね。
ここからでは藩主の顔がよく見えませんが、まさに「大広間」の名前にふさわしい空間です。
(上写真は佐賀城本丸御殿)
藩主との対面の場所は、城によってはこんなに豪華なことに。
(上写真は熊本城本丸御殿)
近世城郭の中でもとくに重要な場所である御殿で、本来はあちこちの城にあったはずが、
まず本丸御殿の現存例は一番上で紹介した川越城本丸御殿のほか、上写真の高知城本丸御殿のみ!
また、佐賀城本丸御殿の一部(藩主の居室である御座間、堪忍所)も現存しており、
復元整備された部分とともに公開されています。
一方、二の丸御殿の場合は上写真の掛川城二の丸御殿と・・・。
二条城(京都市)の二の丸御殿が現存しています。
こちら、大政奉還の舞台ともなりましたね。ちなみに二条城には本丸御殿もありますが、こ
れは明治になってから旧桂宮邸(1847(弘化4)年築)を移築したもので、本来の遺構とは異なります。
それにしても、実に寂しい残存状況です。
一方、復元されたものの場合は、上写真の彦根城表御殿や、篠山城(兵庫県)大書院、
それから先ほど紹介した熊本城本丸御殿や・・・。
こちらの佐賀城本丸御殿が挙げられます。また、現在は名古屋城本丸御殿の復元が進行中です。